おねしょで小さい頃に悩んだことのある方は多いのではないでしょうか。みんな内緒にしているので、「自分だけ」と思い詰めているお子さんが多いのですが、小学校1年生の10%、6年生の3.5%におねしょを認めるという報告もあるように、非常に頻度の多い相談です。
一般に、以下の場合を「おねしょ(夜尿症または遺尿症)」と言います。
- 5歳以上の子どもが寝ている間におしっこを漏らしてしまう
- 1か月に1回以上のおねしょが3か月以上続くものとする
- お昼のお漏らし(昼間遺尿症)などの症状の有無は関係ない
お父さんやお母さんもおねしょだった場合、子どもさんもおねしょになりやすいことが知られています。治療の基本は、『3つの「ない」』です。
- 焦らない:成長に伴って治ることが多いので、見守る
- 怒らない:子どもに「おねしょをしないように」と叱っても,無意識の排尿なので効果がない。二次的に自分はダメな子だと思って心理的に悪影響を及ぼすので怒らない
- 起こさない:睡眠中に成長ホルモンや抗利尿ホルモンが分泌されてリズムを作っているので、無理に起こして寝不足にしない
さらに、自宅でできる工夫として以下があります。
- 規則正しい生活:身体のリズムができるように規則正しい生活をする
- 水分制限:寝る前3時間以降に飲んだ水分の80%が「夜間のおしっこ」になるので、昼間はしっかり水分を飲んで夕方から制限する。塩分の少ない食事にすることも大切です
- 冷え対策:冷えは膀胱(おしっこを貯める所)を不安定にさせるので、飲み物を常温にする、衣服や寝具を工夫するなども有効です
- 便秘の解消:慢性の便秘では膀胱の容量が減るので、おもらししやすくなります
しかし、「高学年になってもよくならない」、「宿泊研修が近づいていて心配だ」、こんな時は、かかりつけの小児科医にご相談下さい。2021年に日本夜尿症学会のガイドラインが改訂され、生活指導で改善しない場合にお薬やアラーム療法などの治療が推奨されています。おねしょは、1年間で10~15%、3年間で30%は自然治癒しますが、治療を行うと1年間で約50%は改善することが分かっています。多くの場合成長に伴ってよくなりますが、二次的に自信を無くしたり活動に参加できなくなる前の対応が大切です。また、昼間のお漏らし、歩行がおかしい、便を漏らすなど様々な症状がある場合は、身体の病気のこともあります。不注意や多動が目立つお子さんに合併していることもあります。まずは、かかりつけ医にご相談ください。