「朝起きられない」「朝ご飯を食べられない」「朝気持ちが悪い」「集会で長時間立つことができない」「お風呂に入ると気持ち悪くなる」、子どもたちがこのような症状を訴えたとき、どのようなことを考えたらよいでしょうか?

  • 生活習慣の問題・・・・・「早く寝ないから朝起きられない」
  • 学校の問題・・・・・・・「学校に行きたくないから朝調子が悪い」
  • 精神的な問題・・・・・・「うつ病の人は朝調子が悪い」
  • 心理的な問題・・・・・・「根性が足りない。昔はもっと厳しかった」

色々な理由が思い浮かびます。

でも、「学校のある日もない日も同じように調子が悪い」「午後になると元気だけれど朝が来ると調子が悪い」「学校でトラブルはないし学校へ行きたいと願っている」「急に身長が伸び始めた」などがある場合は、「起立性調節障害」の可能性を考えてください。

「起立性調節障害」は思春期に多い自律神経系の調節障害です。朝になっても交感神経系の活動が活発にならず、血圧の調整がうまくいかないので、脳への血流が維持できず様々な症状が現れます。午後になると交感神経系が活発になり、夜には元気になるので寝つきが悪くなります。午後の様子を見ると一見元気そうなので、「学校に行きたくないのではないか」「怠けている」などと誤解され、子どもが精神的に追い詰められることもあります。

起立性調節障害は3年間で約8割の方が回復する病気です。しかし、体調不良が長期間続くため、二次的に情緒不安定になったり、学校へ行けなくなったりするなど、次の問題が発生してきます。診断は特徴的な症状、他の病気がないかを調べる検査、血圧を測る検査(新起立試験)によって行います。

治療は生活の工夫や運動、お薬などを用いますが、決定的なものはありません。子どもたちがこの病気と付き合いながら成長できるように、また自己評価が下がらないようにご家族と協力して応援しています。もし思い当たる症状があれば、かかりつけ医にご相談ください。